あさりの旬はいつ?
あさりの旬は産地によって多少異なりますが、一般的には春(4~5月頃)と秋(9~10月頃)の年2回あります。
どちらの季節も、あさりが産卵期を迎える前なので、栄養をしっかりと蓄えて身がふっくらと肥えているのが特徴です。
なお、北海道ではあさりの産卵が年に1回だけなので、旬も春の1回のみとなります。
旬のあさりがおいしい理由は?
旬を迎えたあさりは、シンプルな味付けでも濃い旨みを感じられます。
これは、産卵期を控えたあさりが、旨み成分のコハク酸やグリコーゲンをたっぷりと蓄えているためです。
一方、産卵を終えると旨み成分が減り、旬の時期に比べると淡白な味わいになります。
あさり本来のおいしさを楽しむためには、旬を逃さないことが大切です。
国内のあさりの産地
あさりは、日本各地で漁獲されています。
漁獲量が最も多いのは愛知県で、次いで北海道、三重県、静岡県、千葉県、福岡県です。
いずれの都県にも豊かな干潟や湾があり、あさりが生息するのに適した環境が整っています。
あさりの主な産地は、下記のとおりです。
■各都道府県のあさりの産地
都県 | 主な産地 |
---|---|
愛知県 | 三河湾沿い |
北海道 | 厚岸湖や野付湾など東部の地域 |
三重県 | 伊勢湾 |
静岡県 | 浜名湖 |
千葉県 | 盤州干潟や三番瀬など |
福岡県 | 有明海の干潟や博多湾など |
あさりに含まれる栄養素
あさりには豊富な栄養素が含まれており、健康や美容にうれしい効果が期待できます。
ここからは、あさりの主な栄養素をご紹介します。
ビタミンB12
ビタミンB12は「造血のビタミン」とも呼ばれ、葉酸とともに赤血球の生成を助けます。
貧血ぎみの方は積極的にとることが大切です。
鉄
鉄は赤血球の中のヘモグロビンというたんぱく質の成分となり、全身に酸素を運びます。
鉄が不足すると集中力の低下や頭痛、めまいなどを引き起こすため、積極的にとりたい栄養素です。
ビタミンCやたんぱく質をいっしょにとると吸収率が上がるため、野菜類や果物類、卵、豆、肉、魚などといっしょに食べることをおすすめします。
マグネシウム
マグネシウムは体に不可欠なミネラルの一種で、カルシウムやリンとともに骨・歯などを形成する役割を持ちます。
300種類以上の酵素の働きをサポートする作用もあり、体温・血圧の調整や筋肉の収縮などにも関与しています。
さらに、マグネシウムは神経系にも影響を与える栄養素です。
不足すると気分の落ち込みや、いらつきなどの症状が現れることもあります。
亜鉛
亜鉛は、たんぱく質やDNAの合成、味覚の維持などに必要な栄養素です。
不足すると貧血や皮膚のトラブル、味覚障害などが起こりやすくなります。
日本人は亜鉛が不足気味であるといわれ、積極的な摂取が推奨されています。
ビタミンB2
ビタミンB2は、三大栄養素である糖質・脂質・たんぱく質の代謝を促進します。
粘膜や皮膚、髪の毛、爪などをすこやかに保つ効果が期待できます。
タウリン(アミノ酸)
タウリンはアミノ酸の一種で、脂肪細胞に作用して燃焼を促進する役割を持ちます。
また、全身の器官の機能を高め、血圧を正常値で維持する働きもあります。
さらに、アルコールや薬剤といった体に有害な物質を代謝する肝臓に作用し、胆汁酸の分泌を促進したり、幹細胞の再生を助けたりするため、解毒作用の向上も期待できる栄養素です。
あさりの上手な砂抜き方法
あさりは下処理をしないと、食べたときにジャリッとした砂の食感が残ってしまうことがあります。
正しい砂抜きの方法を覚えて、あさりをおいしく楽しんでください。
<用意するもの>
- あさり(300g程度)
- 塩水(3%:水500mLに対して塩大さじ1)
- ボウル
- アルミホイルや鍋の蓋

手順1:あさりを洗う

ボウルやざるにあさりを入れ、水を注ぎながら殻同士をこすり合わせて汚れを落とします。
手順2:あさりを塩水に浸す

ボウルにあさりを入れ、塩水を注ぎ入れます。
塩水の量はあさりがちょうど浸かるくらいか、水面から頭が少し出るくらいが目安です。
手順3:光を遮断して数時間から一晩置く

ボウルにアルミホイルや鍋の蓋をかぶせて、冷蔵庫で数時間から一晩置きます。
暗くすることで、あさりが砂を吐き出しやすくなります。
手順4:濁った水を捨てる

ボウルから蓋を外して塩水を捨てます。
水が濁っていれば、しっかり砂抜きができています。
手順5:きれいな水であさりをすすぐ
ボウルを洗い、あさりを戻してきれいな水で軽くすすぎます。
あさりの保存方法
砂抜きしたあさりは、冷凍保存すると長く楽しめます。
特におすすめなのは、水ごとあさりを冷凍しておく方法です。
コハク酸とグリコーゲンは水溶性なので、水ごと冷凍することで旨みが抜けるのを防げます。
また、タウリンやビタミンB12、ビタミンB2も水溶性であるため、栄養素を逃さずに摂取することができます。
<あさりを冷凍保存する方法>
- 砂抜きして軽くすすいだあさりを、清潔な水といっしょに保存容器に入れる。
- 保存容器の蓋をして冷凍庫で保存する。
- 使用するときは解凍せず、凍った水ごと調理する。
冷凍保存したあさりは1週間から10日を目安に食べきってください。

あさりを水ごと冷凍保存した様子。

冷凍庫のスペースが限られている場合は、あさりを冷凍用保存袋に入れて、水なしでも冷凍保存できます。
旨みたっぷりのあさりを楽しもう!簡単レシピ3選
あさりの旬ならではの旨みをたっぷり味わえる、おすすめレシピ3つを清水さんに教えてもらいました。
いずれも手軽に作れるレシピばかりなので、ぜひ挑戦してみてください。
ボンゴレビアンコ

<材料(2人分)>
- あさり(殻付き)
- 200g
- スパゲッティ
- 200g
- にんにく
- 1片
- 唐辛子
- 1本
- 白ワイン
- 大さじ4
- オリーブ油
- 大さじ1
- 塩、こしょう
- 適量
- パセリ
- 少々
<作り方>
- 砂抜きしたあさりはさっと洗う。にんにくはみじん切りにする。スパゲッティは塩(少々・分量外)を入れたたっぷりの熱湯で、表示時間より1分短く茹でる。
- フライパンにオリーブ油、にんにく、唐辛子を熱し、弱火で香りが立つまで炒める。
- フライパンにあさりを入れ、白ワインを加える。あさりが2~3個ほど口を開けたら蓋をして、余熱で火を通す。
- あさりを一旦取り出し、茹でたスパゲッティをフライパンに入れて汁を吸わせるように炒め合わせる。
- あさりをフライパンに戻し、塩とこしょうで味を整える。皿に盛りつけて仕上げにパセリを散らす。
クラムチャウダー

<材料(2人分)>
- あさり(殻付き)
- 150g
- 玉ねぎ
- 1/4個
- にんじん
- 1/4本(50g)
- じゃがいも
- 小1個
- ピーマン
- 1個
- バター
- 10g
- 小麦粉
- 大さじ1
- 牛乳
- 400mL
- 塩、こしょう
- 適量
<作り方>
- 砂抜きしたあさりはさっと洗う。玉ねぎ、にんじん、じゃがいも、ピーマンは1cm程度の角切りにする。
- 小鍋にバターを入れて熱し、野菜を炒める。小麦粉を加えて炒め、粉っぽさがなくなったら牛乳を少しずつ加えて混ぜる。
- 鍋にあさりを加え、蓋をして口が開くまで3分ほど加熱する。塩、こしょうで味を整える。
あさりとキャベツの酒蒸し

<材料(2人分)>
- あさり(殻付き)
- 200g
- キャベツ
- 300g
- にんにく
- 1片
- 輪切り唐辛子
- 1本分
- 酒
- 大さじ4
- 油
- 大さじ1/2
- 醤油
- 小さじ1
<作り方>
- 砂抜きしたあさりはさっと洗う。キャベツはざく切りにする。にんにくはスライスする。
- フライパンににんにく、油、唐辛子を入れて熱し、香りが立つまで弱火で炒める。
- あさりを入れてさっと炒める。キャベツ、酒を入れて蓋をし、あさりの口が開くまで加熱する。
- 醤油をまわしかける。
旬のあさりの旨みや栄養を逃さず味わおう
旬のあさりは、旨みや栄養がたっぷりで、さまざまな料理と相性抜群です。
本記事でご紹介した下処理やレシピに挑戦して、旬のあさりのおいしさを存分に楽しんでください。
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旬のおいしさを、ぜひご自宅で味わってみてください!
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